2021年、2022年、世界情勢が激しく変化し、2023年は年始からさらに生活を脅かされる事態が進んでいます。
日本の食糧自給率が低いことは何年も前から言われていましたが、食料生産を担っている農家の高齢化も2021年に67歳を超え、今後毎年1歳ずつ上がっていくといわれています。
50歳を機に定年後も続けられる仕事として、そして、食料自給率の向上や耕作放棄地の解消になればと思い農業に注目してきました。
そこで、2022年12月に千葉県長生郡睦沢町というところで、田んぼを5反借りることができ、個人事業「エビともファーム」を立ち上げました。
農業従事者でない者が、農業を始めようと思ったときに立ちはだかる壁「営農計画書」
定年を見据えて農業に興味を持った2021年、私は家庭菜園を始めました。
100円ショップで種を買い、プランターで野菜を育てました。
うまくいった作物もあれば、芽さえ出ない全然ダメな作物もある。
これは土づくりや水やりに問題があると思った私は、いろいろ調べて近隣にあった「シェア畑」さんでの2畝を借りました。
最初はミニトマト、なす、ピーマン、枝豆を育てるところから始めたのですが、有機肥料の与え方、コンパニオンプランツの存在、マルチのかけ方、剪定などなど、独学では分からないことをまとめて教えていただくことができました。
その経験を踏まえ、まず自分の食糧率を高める(できれば自給する)ために、耕作放棄地を借りてみようと思いました。
勤めながら農業ができる。つまり、まずは兼業農家として農作物を作りたいと思い、職場に通うこともできそうな千葉県で借りられる耕作放棄地を探し始めました。
耕作放棄地の貸し借りについては市町村のホームページに相場が出ていて、いくつかの自治体に連絡しました。
どの自治体も最初は快く応対していただくのですが、いざ借りようと一歩踏み出すと、「営農計画書」という大きな壁が立ちはだかりました。
普通のビジネスの事業計画書自体は、これまで何度となく作ってきたので要領がわかりますが、農業となると全く分かりません。
作った作物はいくらぐらいで売れるのか?
どんな資材や機械が必要なのか?
そんなことはいきなり聞かれてもわかりません。
問合せた市役所の職員さんは「作り方は一緒に作りましょう」と言ってくれましたが、農地を借りて農業をすることが簡単ではないことが分かりました。
チバニアン兼業農学校と出会い、千葉県睦沢町で田んぼを借りました
耕作放棄地を簡単に借りられないと分かった時点で、もう少し農業について自分の理解度を高めないとならないと思った矢先、SNSの広告で「チバニアン兼業農学校」の存在を知りました。
2022年に創設されたばかりでしたが、千葉県睦沢町を拠点に2拠点生活の兼業農家を増やす取り組みをしているとのこと。
営農計画作りでいったん耕作放棄地を借りることを断念した私でしたが、チバニアン兼業農学校の説明会を聞いて参加してみました。
- 睦沢町なら耕作放棄地を借りるためのハードルがもう少し低そう(これはチバニアン兼業農学校が睦沢町にしっかり食い込んでいるからと後からわかりました)
- 睦沢町なら週末通うことも不可能ではない(平日=東京、週末=睦沢。睦沢町は東京から電車+バスで2時間半程度。車なら高速で約1時間)
- サーフィンなどで人気のある一宮町への通り道なので、週末の人通りが結構あるし、温泉もある!
実際に参加するといろいろなことが見えてきて、睦沢町から農業人生をスタートさせたいと思うようになりました。
チバニアン兼業農学校は3ヶ月で一区切りのプログラムですが、農業を考える時間がしっかり確保できたことや、睦沢町で実際に作業をやって、何を作ったらよいか?という原点に対する答えが出ました。
それが稲作です。
- 兼業農家でお米を作っておられる方は多い。これは、先祖代々お米を作っている農家の方が勤めに行かれて兼業農家になっているという方が主力なので、私のような新規就農型とは異なりますが、とはいえ兼業できる作物なのは間違いない
- お米は野菜などと違って長期保存が効く作物
- 日本は風土的にお米を育てるのに適している(特に千葉県はほぼ雪が降らず温かい)
- お米の市場は巨大。儲からない作物といわれるが、とにかく市場が大きいのでやり方次第ではないか
- そもそも自分自給率を高めることが最優先事項なので、お米を売って大儲けする必要はない(持続可能な形になればベスト)
以上の理由から少しだけ工夫をして、稲作に挑戦することにしました。
その工夫というのはミズホチカラという品種の稲を育てることです。
自分自身の食料自給率を高めたい方、一緒に米作りしませんか?
ミズホチカラを選んだ理由は
- お米の中でも、米粉はパンや麺などのグルテンフリー素材として注目を集めている
- 米粉をアマゾンで買おうとすると、ミズホチカラばかり出てくる。
- 小麦粉の供給が難しくなり小麦粉代替として米粉の活用を農水省なども後押ししている(参考記事:「<米粉専用品種増産へ> 機械・施設を半額補助 農水省」日本農業新聞、2022.12.30)
- ミズホチカラは米粉用途だけでなく、飼料米としてもニーズがあるらしい。つまり人間以外も食べられるので市場がさらにでかい
- 少なくとも睦沢町ではだれもミズホチカラを育てていない(原産地は熊本県)。これは2023年1月に睦沢町役場に確認しました。
ということで、千葉県産のミズホチカラは多少差別化がしやすいお米と期待できるからです。
品種はこのように理屈を固めて選んだのですが、借りる田んぼの面積はご縁あって5反も借りることになりました(笑)
1反からの標準的なお米の収穫量は500kgとのことなので、このままだと2.5トンもできてしまいます。
1年間で我が家はだいたい60㎏程度の消費なので、売るほど余ってしまうことが見込まれます。
あまりにも生産できてしまいそうなので、玄米・精米・米粉で販売するだけでなく、子ども食堂的なところに寄付をしたり、飼料米として酪農家に使ってもらったり、可能なら輸出も挑戦してみたいと思っています。
また、私の様にお米で自分自給率を高めたい方をグループ化して、農作業や稲刈りを一緒にやっていただき、収穫物を山分けするようなことも考えてみたいと思っています。
こんなエビともファームの米作り(ミズホチカラ)に興味がある方、お気軽にお問合せください!